2011年9月27日火曜日

塾長ゼミ 10月 「スティーヴ・ジョブズを読む」

毎週水曜夜の原田塾長による英語購読ゼミ「バートランド・ラッセルを読む」ですが、前回でちょうど一区切りがついたため、今回のタームは趣向を変えて、アップル社の創業者・元CEO・現会長のスティーヴ・ジョブズ氏の講演録を読みます。

講演録は、昨年オバマのノーベル賞受賞記念講演録が入試で出題されるなど、入試に採りあげられる頻度が高いものです。今回のスティーヴ・ジョブズ氏の講演は、ネットでもかなり話題になった有名な講演です。おりしも、先だってジョブズ氏のCEO退任が報じられたばかりなので、今年度はどこかで出題されるかもしれません。

というわけで、このターム3回のラッセルの時間を使って、じっくり読んでいきますので、参加希望者は、意志表明してください。

といっても、8名までです。

いつものラッセルの時間と同じで18:30~21:00前後。早く終わる可能性もあります。3週間の予定ですが、こちらも早く終わるかもしれません。音声、画像も一緒に視聴する予定です。参加費はいつもどおり無料です。

2011年9月11日日曜日

シノザキ総合音楽院/シノザキロゴスアカデミー情報誌 平成23年9月号「人と出逢い、音と出逢う」掲載

夏休みも終わり、受験生は本格的な受験準備に追われる時期となってきました。季節は、「読書の秋」などとも言われるように、1年でもっとも勉強に適している時期だと思います。もしかしたら、音楽の練習も同じかも知れませんね。…そういえば、「芸術の秋」という言葉もありました。

さて、勉強や読書のために、ひとり秋の夜長を過ごすのも一手かと思いますが、ここは一つ、誰かと「読んだこと」「学んだこと」を共有してみるのはいかがでしょうか。自分が理解したことを人に話し、意見をもらうのです。自分が読んで理解したことを、できればあまり時間を空けずに、身近な人に話してみるのが良いとでしょう。ていねいに、そして、話した相手がよく理解できるように、です。

とかく自分ひとりで学んだことというのは、誤りやすく、文字通り「独りよがり」になりがちです。自分が読書や勉強によって理解したことを人に話し、意見をもらうのは、少なくとも以下のメリットがあります。

1. 自分以外の人に説明するために、思考や情報を整理することにつながる。
2. わかりやすく説明するために、複雑な情報を単純化することにつながる。
3. 自分が真に理解できていないところ、わからないところに気が付くことができる。
4. 言葉による情報発信力を鍛えることにつながる。
5. 相手から意見をもらうことにより、自分の誤りや理解していない点を発見できる。

勉強や読書のムダというのは、あまり語られることのないテーマです。勉強も読書も、基本的には良いことに決まっているからでしょうか。しかし、だからこそ、注意深く、忘れないようにしておく必要があると思います。本や教科書などから情報として理解した知識のことを「記述による知識(Knowledge by Description)」と言いますが、こういった知識は、車の運転の仕方を知っていることなどの「身体知(Know How)」や、直接見て知っている知識「面識による知識(Knowledge by Acquaintance)」と比べて、かなり忘れやすく身に付きにくいものです。大人の方なら誰でもわかると思いますが、高校の世界史で勉強した「キリスト教公会議の回数」や年号などは、テスト勉強したその日にしか効力を持っていない知識です。

だから、学校の勉強や読書は意味がない、ということではありません。せっかく勉強したことを、「ムダ」にしないためには工夫と心がけが必要だということなのです。その工夫とはなにか。勉強や読書で得られる知識を実際に「使うこと」を意識することです。使うことを意識して覚えることは、身体で覚えることに似ています。自転車の運転(の知識)は、一度覚えれば忘れないでしょう。ポイントは、学んだことを、身体知のようなものに近付けていく心がけです。

使うことで一番手軽なのは、「人におしえること」です。そう!ここで、読書や勉強によって理解したことを人に話すもうひとつのメリットがわかります。

6. 人に説明することを意識して読むことにより、知識を忘れにくいものにできる。

皆さんも、ぜひ実践してみてください。

エコール麹町メディカル塾長
原田 広幸