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2010年8月17日火曜日

OG笹森さんによるレポートのとおり、エコール麹町メディカルの塾生は、目下、夏の「湘南合宿」で集中学習を行なっている最中です。

湘南の風に吹かれてリゾート気分に浸るのも束の間、早速これまでの勉強の総整理と各自の課題をこなし始めました。

合宿2日目。原田塾長が担当する「集団討論・面接対策」の一環として、合宿参加者全員によるディスカッションを行いました。





題材は、ハーバード大学の政治哲学者 マイケル・サンデル教授の講義録より、Who deserves what ? (誰が何に値するか)について。

まず1時間かけてテキストを黙読し、その後2時間弱の討議。具体的事例に即しながら、公平さ・正義に適う行為や判断について皆で議論しました。

アリストテレスの正義論についての議論を含む、難解に思われる題材でしたが、みなよく理解し、活発に議論していました。

・テキストに基づいて、できれば「テキストのどこに何と書かれているか」を指摘しながら、発言すること。
・別の人の意見を受けて、議論の流れに即しながら発言すること。
・自分の発言の根拠を明らかにすること。


これらのことに注意しながら、建設的なディスカッションの作法を学びました。あと2~3回トレーニングを積めば、みなかなり立派な議論ができるようになるでしょう。

麹町メディカルでは、アメリカ発の教育メソッド=GBS(グレート・ブックス・セミナー)を取り入れ、ディスカッションの練習を行なっています。GBSで行われるディスカッションには、ソクラテスの対話をモデルとした歴史と伝統あるメソッドが使われています。これはアメリカやヨーロッパで行われている大学のゼミナールでは普通に行われる討議方法です。


昨今、医学部受験レベルでも、言語的表現能力、批判的分析能力、コミュニケーション能力は強く求められるようになってきており、このメソッドでの学習の有用性はますます高まっていくような気がします。

興味のある方は、塾長が長年かかわっているプロジェクトについてご参照ください。


◆財団法人ハイライフ研究所でのディスカッション実演映像
http://www.hilife.or.jp/wordpress/?p=3853


◆セミナーの概要について話したときの映像(ただし,社会人を対象としたセミナー)
http://www.hilife.or.jp/wordpress/?p=3631


◆古典・名著を読む



◆医学部としては,横浜市立大学でセミナーが行われています。
http://www-user.yokohama-cu.ac.jp/~tokugp/kanjatoishi.html
ロス「死ぬ瞬間」、ダーウィン「人間の由来」、フランクル「夜と霧」、カーソン「沈黙の春」、ナイチンゲール「看護覚書」、「ニュルンベルク裁判」、「ヘルシンキ宣言」などが題材として使われています。




2010年5月18日火曜日

先日、こちらのブログでもご案内のとおり、本科塾生有志参加による、第1回グレートブックス・セミナー「プラトンの『ソクラテスの弁明』を読む」が、エコール麹町メディカル渋谷本校にて開催されました。



オブザーバーに中央公論新社の石川さん、ならびに当塾の佐藤講師、倉林講師、笹森OGを迎え、リベラルアーツ総合研究所の熊倉さんは撮影・録音ならびに遠隔地実験参加のためのスカイプオペレーションをご担当くださいました。

ディスカッション開始冒頭、スカイプでの参加者(画面左下にノートPC画面)に向かって挨拶をする原田塾長&塾生有志たち。

2010年5月9日日曜日

第1回 グレートブックス・セミナー(西洋古典セミナー)開催のお知らせ

来る5月16日(日)、エコール麹町メディカルでは、アテネ・ビジネスアンドアカデミックおよびアテネ・ミュージックアンドアーツとの共催、中央公論新社の協賛により、第1回グレートブックス・セミナー(Great Books Seminar/GBS)を開催します。

GBSとは、アメリカの哲学者M.J.ア ドラー博士の教育理念にもとづいて開発された学習プログラムです。時の試練に耐えた古典名著を共通のテキストとして、参加者同士のディスカッションにより進められます。モデレーターと呼ばれる進行役が、問題提起や議論 の調整をおこない、自由な雰囲気の中で「読む・聞く・話す」といった総合的な知的能力の開発を目指します。古典的教養、哲学的思考を基本としたコミュニケーションを確立し、われわれ一人ひとりが社会でより善く生きていくための「共通インフラ」を整備すること が、究極の目的です。

GBSの名を世界に知らしめるきっかけとなった、米国アスペン研究所による「エグゼクティブセミナー」をはじめ、アメリカで は大学の一般教養課程でも数多く採用されています。近年、日本国内でも、日本アスペン研究所かながわ学術交流財団などの団体によるセミナーが定期的に開催され、GBSの名前がしたいに広まりつつあります。 

第1回のテクストは、プラトンの『ソクラテスの弁明』、モデレーターは、当塾塾長の原田広幸が務めます。

グレートブックス・セミナーについては、また折をみてお話したいと思いますが、まずはとりいそぎ、下のリーフレットでにて、作品の背景や、グレートブックス・セミナーの簡単な紹介をしておりますので、ぜひお読みになってみてください。



ちなみに、2010年は「国民読書年」だそうです。

とはいえ、難関医学部をめざす受験生にとって、読書の時間はなかなかとれないかも・・・

実際、わが塾生たちのとっての5月は、2日(日)の駿台全国判定模試にはじまり、9日(日)の全統マーク模試、23日(日)の全統記述模試、30日(日)の駿台ハイレベル模試・・・と、この16日の除いて、日曜日はすべて「全国模試」の日程で埋め尽くされているというタフな1ヶ月。

塾生以外の方の参加も喜んでお受けします。 ただし、エコール麹町メディカルの教室定員を上回る参加が見込まれる場合には、会場を中央公論新社(中央区京橋)に移して開催しますので、参加ご希望の方は事前にお問合わせください。

2010年4月14日水曜日

4月14日(水)HR(ホームルーム)紹介図書『脳からストレスを消す技術』(有田秀穂)


当塾本科では、週のちょうど真ん中、水曜の17:30からを「ホームルーム」の時間と設定しています。

とても小さな予備校ですので、実務的な伝達をするためにわざわざ集まる必要はないのですが、「今日までのところ、今週はどんな感じだった?また、後半はどんなふうに過ごしていこうか?」という“小さな節目”として、また、授業という厳しい雰囲気とはまた別のユルさと温かさの中で、一人ひとりの顔をみて声を聞く大切な時間です。

また、 一日12時間近く、週6日以上を、教室で勉強をしながら過ごす塾生は、とかく世の中の情報に疎くなりがちです。そこで、話題の書籍、映画などを紹介して、ざっくばらんな会話を楽しむ時間にもしていきたいと考えています。

今日のトピックは、東邦大学医学部教授の有田秀穂先生の著作『脳からストレスを消す技術~セロトニンと涙が人生を変える』(サンマ―ク出版)から。

これは、某SNSで交流している中学の同級生T君が(在宅医療・往診専門クリニックを開業している医師でもある)日記で紹介していたものでして、有田先生はセロトニン研究の第一人者で、この本は最近「エチカの鏡」というテレビ番組でも紹介されてベストセラーになっているようなのですが、わたしは、お恥ずかしながらまったく知りませんでした。

有田先生については、
1948年、東京生まれ。東京大学医学部卒業後、東海大学病院にて臨床に、筑波大学基礎医学系で脳神経の基礎研究に従事した後、ニューヨーク州立大学に留学。「座禅(呼吸法)が心身に与える効能は、脳内セロトニン神経の働きで説明できる」という仮説を提唱し、各界から注目を集める「セロトニン研究の第一人者」・・・
 というプロフィールが、巻末に掲載されていました。東邦大学医学部には当塾のOBOGが多数在籍しているのでさっそく聞いてみると、「2年生のときに教わった」「いま生理学をならっている!」とみんなお世話になっているようでした。

ホームルームの前日にアマゾンから取り寄せて読んでみると、これが非常に科学的(医学ですから当たり前ですが・・・)で、しかも実践的でおもしろい!「ストレス」は、働くオトナの専売特許ではなく、厳しき難関に挑む医学部受験生にもおおいに関係のあるところなので、ぜひ塾生に紹介してみようと思いました。

ストレスには「身体的ストレス経路」と「精神的ストレス経路」の2つの経路があるそうで、後者について、セロトニン神経を鍛える(セロトニントレーニングをする)ことにより、精神的に安定した(うつ病などに至らない)状態をつくれるとのこと。その鍛え方はとってもシンプルで、太陽の光を浴びて、1日5分の“リズム運動”― 呼吸法(座禅、ヨガ)咀嚼、ウォーキング、ジョギングetc.をすることなのだそうです。

その具体的な方法について、書籍および有田先生の運営する団体(セロトニン道場)のサイトなども拝見し、ちょっと興味深い方法(タッピングタッチ)を発見しました。そこで、本の紹介方々、これをHRで実践してみようと思い立ちました。

しかしながら、紹介する私自身も試行錯誤の状態で、塾生たちも「先生、これで本当にあっているんですか?」と半信半疑。しかも、途中からなんだかおかしくなってしまい、みんなで笑いが止まらなくなりました。

これでは、塾生にはもちろん、(面識はありませんが)有田先生にも申し訳がないので、「今度、ちゃんど勉強してくるから!」と約束して、続きはまた来週・・・とお開きに。というわけで、このつづきも来週のホームルームのあとで・・・