2011年12月9日金曜日

医歯薬進学 新年1月号予講(予告)

月刊『医歯薬進学』での講義も,今月号(新年1月号=12/12発売予定)で22回目を数えます。補講ではなく,予告・予講ということにして,一言,コメントします。

今年日本中で大騒ぎになった大震災とその後の原発事故,それから,この天災・人災をめぐる政府・東電の対応とそのマスコミ報道は,被災した人の人生観や世界観だけでなく,日本人すべてのモノの考え方や生き方にまで変更を迫った大事件となりました。
そこで今月号では,マスコミの報道の在り方や科学と科学者の倫理を考えるための,「メディアリテラシー,サイエンスリテラシー」,すなわち「もはや何も信じられない」世の中を,しぶとく,しかし美しく生きていくために必須の思考技術を講義しました。

本誌の講義では言いたいことはすべて書き込めませんでした。それから,追加すべき論点もいくつかあります(いくつもあります)ので,そのあたりをこちらでも紹介できればと思います。

(1) 敵/味方の二分法思考のワナにはまるな。
(2) なにが対立点なのか,冷静に見極めてから発言せよ。
(3) 人に任せて文句を言うな。文句を言いたいなら,自分も勉強して「引き受けよ」。
(4) 道徳観を責めるまえに知識不足を克服せよ。
(5) メディアや科学を語るための「メタ言語」を習得せよ。

網羅的ではないですが,出来る限り紹介していきます。ただし,私,多忙な昨年にも増して殺人的な量の仕事を抱え込んでしまったので,順不同,配信時期は不定期ですが,ご了承ください。